臨界投機実行は,図1に示すように,並列計算機,あるいは ワークステーションクラスタなど分散システム上でプログラム実行時, 空いているプロセッサがある場合に,「実際には実行してよいかどうか 判断できないプログラム中の一部分」を先行して実行する方式である。 具体的には,計算に必要となるデータ依存が解決されたタスクから 実行を開始させ,制御フローが最終的に到達しなかったタスクの実行 を後で停止させる。 空いている計算機資源量に応じて先行的に実行するタスク量が動的に 決定されるという特徴を持つ。
WWW情報検索の分野では,情報検索の対象となるデータの増加に伴い, California大学Berkeley校で開発したワークステーションクラスタ NOW[15]が,HotBot[5]やgoo[16]で利用されたり, 富士通のAP3000がInfoNavigator[17]で利用されるなど, 並列計算機の利用が進んでいる。 しかし,常にこれらの計算機資源が100%稼働しているわけではなく, 計算機利用効率が低いのが現状である。そこで,このような空き計算機 資源を情報検索の絞り込み支援に利用するための方法を次節で提案する。