Unlimited Speculative Executionの制御オーバヘッド削減手法 山名早人 佐藤三久 児玉祐悦 坂根広史 坂井修一† 山口喜教 電子技術総合研究所   †新情報処理開発機構  本報告では,タスクレベルの投機的実行を並列計算機上で実現する際に生じる 制御オーバヘッド削減について検討する.並列計算機EM-4上に分散制御方式をソ フトウェアにより実現し,制御オーバヘッドの発生原因毎に,投機的実行の効果 に与える影響を調べた.その結果,放送のレイテンシやタスクの起動処理にかか るオーバヘッドの影響は小さく,制御情報を処理する放送受信処理が最も性能に 影響を与えることがわかった.放送受信処理が1/4に削減された場合,現在のイン プリメントの約3倍の性能向上が期待できる.この時,理論速度向上が13.6倍のプ ログラムを32台のPEで実行すると,最大10倍の速度向上が得られる.